４年前

自分の責任で飼う、初めての犬：タルトを迎えた。
子供のころ飼ったことがある中型犬と違って、うちに来たとき生後３ヶ月で600gのちっこい子。
嬉しくてドキドキ＆ワクワクするのと同時に、実は不安もいっぱいだった。
ミニチュア・ピンシャーという犬種について、『初心者には難しい』というような情報もたくさんあったから…。
それでも『どの犬種であれ、飼い主次第』という結論に達し、ミニピン飼い主として一歩を踏み出した。

そんな飼い主のスタートは、可愛い可愛いで構い過ぎてしまい、タルトは『遊んで！』を絶食でアピール。結局、低血糖を起こし、沖縄に強制送還（汗）
真冬に冷汗の出る想いをしたり、理想を求め過ぎて神経質になったりで、初心者らしいスタートだったと思う。

そんな私も、先輩飼い主さんたちと情報交換させてもらうことで、徐々に度胸が据わってきて、予想外の珍事件やトラブルまでもミニピンライフの一部として楽しむことが出来るようになった。


初心者のため手探りの毎日を過ごしていた私にとって、先輩飼い主さんから聞いた、忘れられない話しがある。

先輩飼い主のＹちゃんの日課は、毎晩、寝る前に愛犬ヴィーナの爪切りをすること。
最初にプチンと爪切りをしたところ、ヴィーナが嫌がり、暴れたため、慣れさせるために毎晩爪切りをすることにしたそうだ。
毎日切るほどに爪は伸びないので、僅かに削るような、もしくは削っているフリをして、爪切りから嫌なイメージを無くし、コミュニケーションとしての習慣を作ったのだ。

「爪切りを終えると、しっかりと褒めてあげて、ぎゅっと抱き締める。
そしてヴィーナのおでこと自分のおでこをくっつけて、目を閉じて今日１日の話しをするの。
話って変かもしれないけど、そうすると、なんとなくヴィーナの気持ちが解る気がするの。
私の気持ちも伝わっていて、通じ合ってるなって感じがするのよねぇ。
私とヴィーナにとって、これが一番大切なコミュニケーションの時間だと思う。だからどんなに疲れていても、必ず『今日もうちの子でいてくれてありがとう』って伝えてから寝るんだ。」

Ｙちゃんから聞いたこの話しは、なぜだかとても深く心に染み込んで来て、涙が溢れそうになるくらい、忘れられない話しになった。