犬の飼い方

我が家は相当な田舎にあります。
そして、今の職場は我が家よりも県北寄りで、輪を賭けて田舎にあります。
このような田舎の土地柄のためか、昔、昔の犬の飼い方が残っています。


それは…、なんと夕方になると、地元の人達が犬を放すのです。帰宅する時間帯には、中型犬くらいの子達が何頭も、職場の周りでうろうろしています。
転勤後、初めてこの様子を見て『この辺り、すごく野良犬が多いですね？』と同僚に言うと、『８割が飼い犬だよと』教えられ、衝撃を受けました。
それから気を付けて見てみると、確かに首輪をしている子が多く、たまに飼い主さんらしき人と歩いていたりします。

私が見かけた『飼い主さんらしき人』は、背中が随分曲がっていて、隣にいる大型犬に近い体格の犬の陰に隠れてしまいそうな程に小柄なお婆さんでした。おそらく８０歳を過ぎているであろう飼い主さんは、両手を背中で組み、俯き加減に、一歩、一歩、ゆっくりと歩いています。散歩と思われるのに、その歩みはとてもゆっくりで、曲がった背中のために俯いたままで、隣の犬に視線を向けることはほとんどありません。
いつもは単独で軽やかに小走りしているその犬は、明らかにお婆さんの歩調に合わせていて、ゆっくり、ゆっくり着いて歩いています。その子は完璧な脚側歩行をしていましたが、ノーリードでした。


現在は、自宅敷地内でのノーリードでさえ許されない時代ですが、地域性による意識の違いに驚きます。
まあ、このお婆さんと犬にとっては、５０年以上前から、何も変わっていないのかも知れませんが…。

法令は『知らない』では済まないし、守らなければいけないものです。しかし、周りが容認している環境では、意識改革・マナーを周知徹底することは難しいと思うのです。悲しい事故や、不幸な動物を減らすためにも、もっと行政から地域全体への啓蒙が必要だと思います。